島めぐみの俳句絵日記

島めぐみの自作の俳句と絵です。

青嵐婆娑羅の愛でし台子かな

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風の爽やかな5月の句会(この句も何年か前のもの)は吟行でした。場所は、柏原の徳源院。京極家の菩提寺として隆盛を誇っていた面影があちらこちらに見られます。京極家と言えば、お市の方の次女のお初と結婚した高次は聞いたことがありましたが、歴史的には道誉とも言われた高氏の方が有名であることを初めて知りました。足利尊氏と共に六波羅に攻め込んだとか・・・政権は混乱していましたが、能、狂言、華道、茶道といった文化が拓けていった時代でもあったようです。そのような時代の中で「婆娑羅」と呼ばれるほどの派手好きが高氏です。「時代の寵児」「流行の先駆け」などという言葉では表せきれないようなエネルギーを持った人だったのでは?と思いを馳せます。すると、大きなガラスケースのなかに台子が。ふと、時代の大きなうねりの中を豪快に駆け抜けていった人物が風になって吹き抜けていったように感じられました。