島めぐみの俳句絵日記

島めぐみの自作の俳句と絵です。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

カーテンで仕切る病室秋暑し

カーテンで仕切る病室秋暑し 去年、母が骨折しました。夜遅くふらついて転びました。このところ毎年のように救急車を呼んでいるので、ご近所さんにちょっと気兼ねしたのと、たとえ骨折していても「ギブスをしたので帰ってください」とか「圧迫骨折は安静にす…

処暑の湖水平線のしろじろと

処暑の湖水平線のしろじろと 何年か前の事ですが、初めて伊吹山に行ってきました。8月になると山頂近くまでの定期バスが運行されます。地上の8月は秋の気配などどこを探してもないのですが、さすがに山頂は吾亦紅が咲いて居たり、秋の虫が顔を出したりと、楽…

新涼や雨の雫も雨音も

新涼や雨の雫も雨音も やっと雨がふりました。暑い日が続いていたので、なんだかほっとします。気温も多少低くなったような気になります。暑さには大して変わらないのですが、ほんの少し涼しくなったような気がします。久々に聞く雨の音も好ましく、雨に濡れ…

虫の音に風やはらかくやはらかく

虫の音に風やはらかくやはらかく 立秋を過ぎると虫が鳴き始めます。熱帯夜であろうとお構いなしです。本当に律儀です。「ありときりぎりす」なんて感覚は日本人にはそぐわない気がします。何しろこんなに暑くてもちゃんと夜になれば鳴き始めるのですから、蟻…

生身魂昔話の活き活きと

生身魂昔話の活き活きと もう何年も前、母がまだ自分の足で何とかゆっくりなら歩けた頃の俳句です。母の大好きな鮎を食べさせたいと「鵜匠の宿 すぎ山」へ連れて行った時の事です。用意されていた席が、窓際の金華山も長良川もよく見えるとっておきの席で、…

蜩が鳴く山ひとつ丸ごとに

蜩が鳴く山ひとつ丸ごとに お茶の先生の家にお稽古に通っていたころの句です。その家の西には小高い山がありました。里山というのでしょうか。豊かな動植物があり、青竹で垣や器を作り、山苺を摘んでジャムを作ったりするそうです。ある日、いつものようにお…

腑の中にすとんと落ちぬ氷水

「五臓六腑に染み渡る」という言葉がありますね。暑い盛りに冷たい氷水など飲むと、水の通り道がはっきりわかる感じがします。「ああ、今胃の中に到達した」なんておもったりして。もう一つ「腑に落ちる」という言葉もあります。この俳句は、どちらかと言え…

炎昼やのっぺりとした空の色

炎(ほのお)の昼で炎昼。よくできた言葉です。結構昔から、日本の夏は炎昼続きだったのでしょうか。最近特に酷いようには思いますが。こんな日の空を見たことありますか?青くないんです。ペンキをべっとり塗ったような、透明感のかけらもない色で、曇りか…