島めぐみの俳句絵日記

島めぐみの自作の俳句と絵です。

山笑ういにしへびとの伽藍跡

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岐阜市の城田寺辺りに「平安時代大変栄えていた寺があった」とある本で読みました。車で近くを走っていた時、古墳のようなこんもりとした丘が見えました。春になると山桜が点々とその丘を彩り、実に美しい。個人的にきっとパワースポットだと思って、横目で見ていました。ソメイヨシノの一面の桜ではなく、芽吹き始めた黄緑や緑の合間に咲く桜の方が春を感じます。そんな丘にある時思い切って入ってみました。太い大きな石の柱があるだけでした。ぎりぎりまで民家が密集していましたが、昔はきっと立派な寺院だったのでしょう。自身を切り売りするように多くの荘園などの所有地を売り渡してきたのでしょう。けれど、石柱より奥の山は今だ魑魅魍魎(ちみもうりょう)が住んでいるようでした。美しさは怪しさと同居しているみたいです。